第103回 年齢の罠から抜け出す

こんにちは、楳林です。私が住む横浜はようやくさわやかな秋晴れの週末でした。先週のエクササイズは「あなたは自分の本質は何だと思いますか(もしくは周りの人はあなたの本質について何と言っていますか)」でしたね。1通紹介します。

「私の本質は“愛”です。惚れっぽい?それもそうかもしれませんが、自分を取り囲む物、者を愛することから全ては始まるというか、自分はいつもそう感じているようです。だから本質は『愛なのかな』と思うわけです」(Sさん、ライター、35歳)。

「その裏側には一体何があるのか?もしかしたら、みんなに愛されたいと思っているのか。以前はそうだったかもしれません。しかし、年齢を重ね、30代も半ばになると、全ての人に受け入れられるなんてことは、先ずありえないということが、身をもってわかってきているので、少し違うようです。」

「では、具体的にはどんな愛かというと、『その物や人の滲み出る良さ』を探り、引き出すことです。人はもちろんですが、その他、例えば仕事に於いても、その『滲み出る良さ』をより具体化し形作っていくような、そんな感じです。締めくくるには内容的に全然物足りないのですが、でも、“愛”なんです。」

とても共感することが多かったです。最近コーチングをしていて、クライアントのあるがまま、長所、短所とも受け入れるたびに、クライントの方もエネルギーは上がり、直感も冴えるようになって楽に前に進むことが出来るようになることに改めて驚いたりしています。それを愛といっていいかどうか、とにかく信頼感が増してくるのを感じます。

Sさんの「滲み出る良さ」をより具体化し形作っていく、というのはまさに、「相手の本質を呼び覚ましていく」というコーチングの基本につながるものだと思いましたね。

ところで興味を持ったのは「年齢を重ね、30代も半ばになると全ての人に受け入れられるなんてことは、先ずありえない」という表現です。確かにそうですね。でも注目したいのはSさんが「全ての人に受け入れられる」とある時期まで思っていたなんです。

そうした思いはいったい、どこから来るのでしょうか?「私の本質は“愛”です」ということと関係しているような気がします。「愛する人と1つになることは出来ないけれど、1つの星を見ることは出来る」とある作家が言っていますが、ライターのSさんにも同じような資質があるような気がしました。

もう1つ今回取り上げたいのは「年齢を重ね、30代も半ばになると」という表現です。毎回の回答を拝見していると、よく年齢のことが出てくるからです。「もう20代後半・・・」「35歳では・・・」「40代では遅い」「50歳を超えては・・・」そして「60代になっちゃ・・・」。まるで20代から「もうこの年では無理」と一生言い続けている風にさえ感じてしまいます。

確かに、日本の労働市場はまだまだ年齢制限が目立ちますし、また肉体的な衰えとか長かった60歳定年時代の年齢感覚が無意識に残っていて何か不本意な出来事があるとふっと頭をよぎるのかもしれません。

「もうこの歳では」と思うたびごとに、「無理」「出来ない」といった気持ちと一緒に、自分の豊かな感性が少しずつ閉じてしまっているように感じるのです。ではどうやってこの罠から抜け出すことが出来るのでしょうか?

「無理」『出来ない』ということは、「何か」に対して、そう思えたということですね。ということはその「何か」は身近にあり、それを先ず見つけること、その上でもう一度、その「何か」に対して今までと違った方法や視点で挑戦してみることです。

そしてその挑戦がうまくいった時、少なくとも「無理」「出来ない」という気持ちを変えることが出来るだけでなく、20代、30代、40代、50代その時々の体験が前向きの豊かな経験に変わっていくように思えるのです。

そういう意味でSさんの「滲み出る良さを引き出そう」という挑戦に今後も期待しています!

ということで、今週のエクササイズです。

●「もうこの年では無理、と思っているキャリアに関連したチャレンジの1つを選ぶとしたら、何ですか?」