第106回 表現する責任
こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「あなたのハードワーク(それ以外の課題でもけっこうです)を仕組んでいるグレムリンはどんな怪物で、得意の戦略は何ですか?」でしたね。まず1通紹介します。
「私のグレムリンは“幸せ恐怖さん”です。得意な戦略は『お前が悪い。お前がおかしい』と私に罪悪感を感じさせ、いやーな気持ちにさせ、その後“災害的空想”をさせます。最悪の結果を想像して私をとことん追い詰め、莫大な不安を与えます。また時には『完全であってはいけない』というメッセージを出して、よい気分の私にガツーンと一撃を与えたり、順調に行き始めると邪魔をします」(Mさん、36歳)。
いやぁ、かなりの怪物ですね(笑い)。ちなみにその怪物はどんな形、姿、色をしていますか?
Mさんは「こうやって書き出してみると、何だかとても怖いです。どれもこれも本来の自分や本当にやりたいことを妨害し、私を苦しめている材料なのですが、自分の中にこういうものがあると認めるのも怖いし、それと向き合うのを怖がっている自分がいます。でも、怖くてもグレムリンがいることがわかることが、とても大切なのだと思いました」。
そうですね。今度現れてきたら、是非、“幸せ恐怖さん”に話しかけてみてはどうですか?
グレムリンに気づいた後の対処法については、例えば名前をつけてちょっと席をはずしてもらうとかの手がありますが、グレムリンを否定するのではなく受け入れて、じっくり付き合うというのも面白いと思います。
それにグレムリンは怪物の姿をしているケースが多いといっても、怪物というのは表面の姿で、実は本来の姿と痛みの両方が隠れているようです。グレムリンはある意味では、もう二度と痛みを感じないように守ってくれていた、という面もあったわけです。
でもグレムリンの姿がわかった以上、隠れている本来の姿を取り戻すチャンスの時が来ているのかもしれません。私も8つの頭を持った大蛇と対話しているうちに、何だか情熱とか知恵とかを取り戻す時のように思えてきました。Mさんもどんな本質が現れてくるか楽しみです。
ところで多少余裕の出来た今週末、私は「感動」と「夢中になる」という2つのテーマに触れる機会があったので、それについて触れたいと思います。
1つはメールマガジンで何かピンときて「感動は設計できる」という講演会に参加したことです。講師の平野秀典さんは会社員、マジシャン、役者という3足のわらじを履いている方だそうですが、2時間のトークは単なる感動のテクニックではなく、感動しながら感動の本質を聞くことが出来ました。そして感動することの大切さと、一人一人が自分なりの表現を通じて自分の思いをメッセージとして投げかけることの重要さを感じました。
特に筋ジストロフィーで段々手足が動かなくなっていった少年が最後は口で楽器を弾く話は、生きていることの奇跡と一人一人表現する責任があること、受講者の多くの方が涙をこらえながら(私もその一人でしたが)聞いているのが印象的でした。
キャリアというのもそうした感動や自分なりの表現が欠かせないものだということを再認識させていただいたわけです。受講者の方は30代の方を中心に、20代から、50代まで幅広く、ビジネスの最前線で活躍されている方が多い印象でしたが、改めて仕事の場でも感動の出来る世界を見つけたいんだな、ということをひしひし感じました。
その日の夕方、TVで画家・京都造形芸術大学教授の千住博さんの話にも感銘を受けました。千住さんは目下、教育TVで、「美は時を超える」という人間講座を担当、私もテキストを買って時々見ていたのですが、千住さんは最後にみんなへのメッセージとして「夢中になるものを見つけてください」と語ったのが心に残りました。
今、自分のグレムリンとも関連しますが、自分なりの表現を夢中になってやること、そして感動することが課題なんだと、改めて痛感した1日でした。
ということで今週のエクササイズです。
●「あなたが今、心から表現したいと思うことは何ですか?」
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