第120回 自分の価値観を大切にする
こんにちは、楳林です。この2,3日、東京はもう春になったかのような暖かさです。何だか庭の草花が一斉に咲き始めそうです。私の周りでも新しいことにチャレンジしたり、急に活動的になる人、変化に直面する人、何か動き出したなぁ、という感じがしています。
たとえば先日、以前キャリアデザイン研修を担当させてもらったある企業の人事部の担当部長であるOさん(50歳、女性)から、突然電話で転職のアドバイスを求められました。数日後、私の事務所に来られ、じっくり話をうかがうことが出来ました。
Oさんは以前から社員のキャリアカウンセリングやメンタルヘルスに関心があり、資格も取って、社内で講習会などを開いていたそうです。しかし、企業合併などがあり、人事部でのポジションは変わらないものの、会社の新方針に違和感を感じるとともに、自分のやりたい分野から遠ざかっているそうなんです。
そこで思い切ってキャリアカウンセリングの専門職の仕事を見つけようと転職を決意、近く面接を受ける予定とのこと。給料は今の半分以下。その条件でも転職したいと、なにやらすでに決断している様子。
私はOさんがその業界の実情をあまり知らないのと、その性急さがちょっと心配になってきました。自分自身もかってそんな性急さで転職したのに、自分以外の人になるとけっこう冷静に見えてくるものです。
ところでOさんのように、何か重大な決断をする時、私はその人にせめて決断をする前に自分の価値観を探ってみるようアドバイスしています。
価値観が明確になると、自分にとって何が大切で、何が大切でないかがよくわかるようになります。すると決断や選択ももっと楽に出来るようになります。もちろん自分は人生の中で何を尊重したいのか、なんていう問いは普段、取り組む暇もありませんね。でも転機の時こそそれがよく見えてくると思います。
そこで今回は自分の価値観を明確にする幾つかの問いかけをしたいと思います。興味のある人は自分のこととして挑戦してみてください。
「これまでの人生で最も生き生きしていた瞬間は何時ですか?」―自分の人生を振り返ってみて、幾つかの出来事の中で最も輝いていた時期を選んで見てください。「そこに誰がいて、どんなことが起きていましたか?」そして「今にして思うと、どんなことが大切にされていたのでしょうか?」あるいは「そのとき、どんな価値観が尊重されていたのでしょうか?」。
次は最近、怒ったり、イライラしたり、不快感を抱いた時のことを思い出してみてください。「その時、どんな状況でしたか?」「何がそういう気持ちにさせたのでしょうか?」そして「そんな嫌な気持ちの裏側にどんな価値観が潜んでいたと思いますか?」。自分でも気付かないで抑圧した価値観に触れるとき、人は怒りや不快感を感じるようですね。
又、あなたが仕事や好きなことで何か達成したり、楽しかったなと思った時、さらにその気持ちをさらに掘り下げてみると、自分の価値観をより明確にするチャンスになります。「何かを成し遂げるということは、あなたにとってどんな意味がありますか?」
価値観を明確にする問いかけは、今回はこれくらいにしましょう。大切なことは自分の持っている価値観をさらに掘り下げてみたり、幾つか出てきた価値観をどのくらい普段から表現しているかに気づくことですね。もしかしたら価値観こそがその人をその人たらしめている本質的な部分かもしれませんからね。
ということで今週のエクササイズです。
●「自分の価値観を尊重するために出来ることは何ですか?」
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