第3回 キャリアビジョン、ゴールを明確にする意味

こんにちは。楳林です。先週のエクササイズは「あなたは今の仕事(状態)で何を学び、あるいは何を卒業しようとしていますか?」でしたね。

何故この問いかけをしたかというと、“いま”“ここ”にこそ、あなたの全てが凝縮してあるからです。全てとは過去から未来まで、そしてプロセス全体が含まれているのです。重要なのは、このことにどの位、気づいて、いまを生きているかということになります。

さて、先週の問いにお答えいただいた幾つかのメールから、今週はこちらの方のメールを紹介させていただきます。先週お伝えしましたように、偶然性を大切にした選定方法で選んでいます。

「1つは,仕事という限定された人間関係の中で,自分と自分でないものを知る。2つ目は“昨年同様”が求められる半官半民の職場で自分の感覚を生かした仕事を主張することで、生きた屍になるまいと思っています」(I.Y)

非常に哲学的なコメントですね。今の職場の中で仕事の意義や自分を大切にしながら生きておられるのを感じます。

ただ、ちょっと気がついたのは、自分と他者、官と民、生と屍といった対立する表現の多いことです。では、こんな質問はいかがですか。「職場のリーダーとして今後どのような仕事を手がけ、どのような職場にしたいですか?」

何故こんな質問をするかというと、これだけの気づきを持っているからこそ、そろそろ批判者の位置から一歩前に出る時のように思えるからです。今までの位置からちょっと抜け出して、理想と現実を統合できるようなビジョンを持って行動できる、ビジョナリ-なリーダーを目指してはどうでしょうか。

今回いただいたメールから皆さんが一所懸命生きているのを感じることが出来ました。でも何か波間でもがいているようです。しかし、波に逆らうのではなく、波をうまく活かしながら進むサーファーのように、波を活かしてください。ですが直面する現実の課題や変化を積極的に活かしていくためには、キャリアビジョンやゴールをしっかり持つことが大切になります。

ビジョンといえば紹介したい人がいます。ある人材派遣会社に勤めているYさん(30歳)は、典型的なビジョナリ-なタイプの女性です。米国の大学に留学してアメリカ手話を勉強した彼女のキャリアビジョンは人種、文化を超えたコミュニケーションツールとして米国手話を日本に普及させ、ろう者の人たちの教育とキャリア開発に貢献することでした。そして、彼女は、ボランテイア活動を続け、今年始めにやっと社長を説得して一事業部として「アメリカ手話講座」をスタートさせました。

10月の第2期には早くも16クラス(生徒150人)の規模に発展、米国の先生も2人参加するほどの勢いです。5年後には学校法人に昇格させ、そのマネジメントをするのが彼女のキャリアゴールとなっています。

「急にクラスが増え、授業の進捗状況の把握や先生とのコミュニケーションが不足する恐れが出てきた」という課題に対し、彼女の出した対策案は、一人で背負うのでなくスタッフを育てると共にマネージャーとして権限を委譲していくことでした。ビジョン、ゴールが明確になると一週間の出来事に対する気づきは本当に深く、そして早くなってきます。今、彼女は走りながら、マネジメントを本格的に学びつつあります。

そんな彼女のキャリアは周囲から見ていても非常に躍動感に溢れる素晴らしいものとなっています。ですので、私はぜひみなさんにもそんなキャリアビジョンを手にしていただきたいと思います。

それでは次週のエクササイズです。

●「あなたは5~10年後、どこで何をしていたいですか?」(あなたのキャ リアビジョン、キャリアゴールです)

● それがわからないから前に進めないんだという方には「あなたの人生は あなたに何を伝えようとしていますか?」という問に答えてみて下さい。