第46回 あなたの花園を想い出す
こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「当てにしていないものを偶然発見した、あなたのセレンディピティの体験(キャリアに限定しません)を紹介してください」でしたね。何通か紹介させていただきます。
「私のセレンディピティは、模擬司会の材料を探していた時、雑誌で偶然見つけた『ワインと日本酒の、美味しい楽しみ方』レッスンです」(Fさん)。
Fさんは、小さな頃お父さんがヨーロッパ出張から帰るたびにワインのビンを持って帰ってきてはワインについて教えてくれたそうです。学生時代はワインやビールの試食販売で売上げトップ、さらに嫁ぎ先では、日本酒の作り方を教えてもらうなど、偶然にお酒が身近にあったそうです。だから、「今回も楽しく勉強し、模擬司会も成功した」のは当然ですね。
「好きなことがあると、毎日がきらきらしているような感じです(この表現は本当に感動しますね)。そして周囲の人にその気持ちを伝えると、さらに新しい情報が入って来たり、人との繋がりが出てきます」というFさんの次なる興味は「ビールのソムリエ」だそうです。
もう1通。「梅原猛氏の聖徳太子の著作を読み、太子に非常に興味を持っていた頃、母に連れられて行った太子に全く関係のない白豪寺で、ずっと見たいと思っていた聖徳太子二歳像に出会えたこと」(Tさん)。太子のどんな点に興味を持たれたのでしょうか?
今回の多数の回答はそれぞれ「へーっそんなことがあるんだ」ととても楽しく読まさせてもらったし、それ以上に書いている人達が活き活きとしていて、私1人で見るだけではもったいないほどでした。ただ偶然かどうか,回答した全員が女性でした(私のパートナーには羨ましがられました)。
ユング的な発想によると、男女とも男性性、女性性があり、女性性こそが偶然性や創造性や深いビジョンを受け取れるということです。今回の回答が女性ばかりだったというのは、これまでの企業社会で男性が女性性に蓋をしている傾向があるのかな?なんて思ってしまいました。
ところで。最近の東京電力の原子力発電所での故障発生データの虚偽記載事件は私にとってもショックなことでした。なぜなら私自身、かって新聞記者として福島支局で原発取材をし、またその後エネルギー担当で東京電力の記事を多数書いていた経験があるからです。今回名前の出ているトップの中には取材で親しくなった方もいます。何故こんな事態を招いたのでしょう?
東電だけでなく、最近の雪印食品、日本ハム、三井物産など日本を代表する大手企業の不正、表示改ざん、申告漏れといった不祥事の原因は、企業倫理の欠如という観点で批判するだけではすまない問題だと思っています。ある意味で問題になった企業だけがひどいのではなく、現在のほとんどの企業に共通する課題があると私は思っているのです。
その共通する課題とは,1人1人が自分のビジョンを忘れたり、見失っていることだと思います。この人生で本当にやりたいこと、ビジョンを実現する場として企業があるのではなく、どこかで生活のために諦め、妥協し,いつのまにか会社のビジョンや目的に同化して生きてしまってるのではないでしょうか。
これは、40~50歳代だけでなく、20~30歳代の方も同じ課題に直面していると思います。自立して自分のこれからの人生、キャリアを設計するためにも自分のビジョンをしっかり見つけたり思い出したりすることは、本当に大切なわけです。
ビジョンを見つけるためには、自分の価値観(自分にとって大切なこと)にしっかり気づくと共に、やわらかい感性や共感性が必要です。前回のセレンディピティとか、偶然性に反応できるようになることも役立つことです。
さて、今回のエクササイズを考えるにあたって浮かんできたのは「自分の花園、楽園を思い出す」ということでした。私の場合、小さな小川に沿って咲き乱れる花々の間を蝶々が飛び舞っている世界を想うだけで、その匂いと蝶々を生き生きと感じることができます。子供時代に体験した完璧な世界ではないかと思っています。そして、この感覚は私のビジョンにも繋がっているようです。
ということで、今週のエクササイズです。
●「あなたが想い出す花園、楽園があったら紹介してください」
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