第63回 デザイン・ア・ドリーム
こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「この10年を振り返った時、その先にある、あなたにとっての今年の課題は何ですか?」でしたね。今回は30歳の方からの回答が目立ちました。ちょうど節目なのでしょうね。何通か紹介します。
「10年前のちょうど今頃は、米国の大学に入学し、2学期が始まる直前。周りの反対を押し切り、アメリカ手話という特殊でつぶしの利かない科目に選考を決めました。この数年、日本でアメリカ手話の教室を主宰し、1つのヴィジョンを実現しました。今年の課題はパートナーシップにコミットすることです」(Nさん)。
20代のうちに1つやり遂げるって素晴らしいですね。「自分ひとりでやることは得意にしていますが、2人一緒にヴィジョンへ向かうことに挑戦します」というNさん。小学校時代の2人3脚競争を思い出してみてください。どうでしたか?その感じを仕事でもパートナーシップでも楽しんでください。
「20歳での就職から始まり、恋愛、結婚、家の新築、子供との離別、離婚・・・確執の深かった両親からの自立の10年でもありました。『イヤなものはイヤ』と自分の気持ちを素直に、きちんと伝える、という単純なことを知るのに10年苦しみました。今年の課題は、ありのままを受け入れ、相手も受け入れること、でしょうか」と言うFさん。新しい彼と「今年結婚が決まりそう」だという事です。
昨年、科学系博物館でボランティアを始めたYさんは「この10年間、あわただしく転職を繰り返し、挫折や諦めばかりでしたが、今年は相談したり一緒に夢を語れる友人との時間を大事にしていきたい」と語っています。
30歳以外の方では、ご無沙汰していたSさん(35歳)から久しぶりの回答です。「昨年7月に会社が倒産、ごたごたが続いて回答する余裕がありませんでした。フリーで何とかやっていますが、これまでを振り返ると、“逃げと言い訳”の仕事人生でした。ですからこれからの課題は、『再就職や結婚、将来どうしたいのか、から逃げないこと』だと思っています」。そうでしたか。大変だったですね。今年はチャレンジの年ですね。
みなさんの10年。初めての体験ばかりを手探りで生きて来たことが、いずれもひしひしと伝わってきました。失敗しようと成功しようと、このプロセスは皆さんのライフキャリアの宝になると思いますよ。
ところで正月早々、あるTV番組での発言が私をハッとさせました。「デザインとは夢を実現する手法ですよ」。そうなんだよ!!でもこの人は一体、どんな人なんだ。川崎和男さんという工業デザイナー。うかつにもこれまでまったく縁がありませんでした。
早速、インターネットで調べて驚きました。すごい人じゃないか!!日本を代表する国際的デザインディレクター。若いときの交通事故で車椅子の人生、しかも心臓病を抱えながら日本のデザイン界の頂点にいる人。そのハンディを逆手に取った車椅子、人工心臓から眼鏡、時計などあらゆる商品を独創的なデザインの対象にしているのです。
早速、著書の「デザイナーは喧嘩師であれ」「ドリームデザイナー」という本を購入、一気に感動しながら読んでしまいました。今年も良い出会いで始まりました。
キャリアデザインの研修が今の私のメインの仕事。キャリアデザインというのは職業生活を通じた自身のキャリアに関して、ありたい姿(ビジョン)、何を大切にし(価値観)、いつまでに、どこで、どんな仕事をしていくかを計画、設計することです。でもデザインするっていうことは、「それが私の生きざまだ」ということを再認識させられました。
デザインに関する川崎さんの言葉をいくつか紹介すると、「自分自身をデザインし直さないと、一生負け続ける」「デザイナーの『命』を『気持ち』に変えて、『形』に変えて、命がけでやっている」そして『デザインというのは、自分のわがままな発想を、社会から『これは思いやりのあるわがままなんだな』とおもってもらえるかたちにかえてあげること』。
川崎さんによると、「わがまま」というのは「我が」と「まま」に分かれる。「我が」は自我、「まま」は「ままになる」(自由になるよ)、つまり自我の自由性が「わがまま」ということになる。「わがまま→思いやり」というのがデザインだそうです。発想の自由とエネルギー源がある。子供の世界ですね。よくいう「わがまま」だけではデザインがないともいっています。
一人ひとりがキャリアのデザイナーになる時代に来ていると思いませんか?
ということで今週のエクササイズです。
●「あなたにとっての“思いやりのあるわがまま”って何か、ちょっと挑戦 してみてください」
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