第65回 何かの終わりや挫折から学ぶこと
こんにちは、楳林です。相変わらず風邪がはやっています。みなさんも注意してください。先週のエクササイズは「あなたが直面している課題を、少し上空から見たとき、どのように見えますか」でしたね。何通か紹介します。
「直面している課題を前に、きっと蝙蝠みたいにあっちへふらふら、こっちへふらふらと飛んでいるように見えます。課題に対する選択肢がいくつかあるのに、はっきりと決めずに先延ばししている自分がいます」(Sさん35歳)。
Sさんは「現在のフリーでは先の見通しが立たず、かといって転職しても実力、年齢的にやっていけるかどうか不安」なことから「何社かの紹介はあるのにチャンスを逃がし、紹介者の行為も無にしています。渡り鳥みたいに、ここと決めたらまっしぐらに飛んでいけるようになりたいです」とも語っています。
俯瞰のスキルを使ってどこを見るのでしょうか?。Sさんの「蝙蝠のようにふらふらしている」「渡り鳥のようになりたい」というのは気づきの入り口ですね。蝙蝠は超音波を発しているし、渡り鳥は磁力線を感じています。Sさんも自分自身の内なるキャリアコンパス(羅針盤)を信頼して、自分の進路を聞いてみてはどうでしょう。「どっちの方向を指しています?」。
もう1通。「狭い範囲でバタバタしているように見えます。身近な課題をすぐ他人に転嫁してしまうきらいがあります。また他人の悪いところをよくしてあげようとして余計バタバタするようになっているようです。もっと広い範囲を見るよう心がけて自分の見方、行動を変えることが肝要かと思っています」(Kさん43歳)。
Sさん、Kさんともシステムエンジニアだそうですが、仕事だけに限定せず、もっと物事や自分自身についてもシステム的に全体をつかみながら行動してみてはどうでしょうか。俯瞰のスキルは全体像を捉えて、異なる視点から見るきっかけを与えてくれますが、とても直感が大切になると思いますよ。仕事にもつながりませんか?
ところで先週の最大のトピックは私にとっても貴乃花の引退でした。私も少年時代から先代の若乃花以来のファンでしたから。一昨年の夏場所で右ひざの怪我を押して土俵に上がり、決定戦で武蔵丸に勝って優勝して以来、1年4ヶ月ぶりの土俵となる昨年の秋場所で復活したかに思えましたが、1場所全休後の初場所中での引退はとても残念な気持ちでした。
「遅すぎた引退」とか「まだ30歳で早すぎた。ちゃんと体を直せばまだまだ出来たはず」など、いろんな見方がされていますね。
これをキャリアの視点から見た時どうでしょうか。プロスポーツでの引退はあっても、キャリアから見たら、1つのステップが終わったに過ぎません。普通のサラリーマンなら30歳というのは、これから自分の専門領域を確立し、深耕する段階ですね。
貴乃花もこれから相撲部屋の親方として若い力士の育成やマネジメント、さらに相撲協会の幹部としての長い道が始まるわけです。国技という特殊で年功制の強い世界であっても、企業社会同様、これから組織の改革やグローバル化が進むのは避けられないと思います。これからどんなリーダーになっていくのか、興味があります。
そんな視点で見たとき、1年半あまりの膝の故障で出場できない葛藤や、初場所での全盛期とは比較にならないもろさ、引退会見で口を開くまでの沈黙といった一種の挫折体験は、とても彼にとっては、貴重な経験であるように思えるのです。
キャリアには成功も失敗もないのです。
ということで今週のエクササイズです。
●「あなたにとってこれまでの失敗や挫折の体験で今役に立っていることは あったら紹介してください」
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