第73回 大切にしたい、あなたの強み

こんにちは、楳林です。久しぶりの3連休で一息つきましたが、連日のイラク戦争のTVニュースに釘付けになっています。先週のエクササイズは「何度も聞きましたが、今、あなたの最大のテーマ、課題は何ですか?」でしたね。

「私の課題は『子育てをもっと大事に思えるようになりたい』ことです」(Sさん、26歳)。Sさんは結婚3年目で9ヶ月の息子さんを持つ専業主婦だそうですが、「子供が出来るまで、会社員時代と同じ給料を稼ぐことを目標に在宅で仕事をしていましたが、妊娠して仕事量を減らし、今は休業している」そうです。

Sさんは「今までの人生で『ちゃんと納得のいくまで成し遂げた』ということがなかったためか、子供を育てていても、『何かやらないと』と仕事を探したりして、その結果、子育ても仕事もおろそかになっている」というジレンマに陥っているそうです。

「自分が子供のころ、『何かに一生懸命取り組んでいる親であってほしい』と思っていたのに、今の自分はちゃんと取り組めていないので、焦っているのかもしれません」と反省するSさんは「今は、しっかり息子と向き合い、子育てをもっとも大切なこととして取り組んでいく」決心をしています。

ライフキャリアの視点から見たら、子育ても立派なキャリアの成長につながるし、「ちゃんと納得いくまで成し遂げたい」という長年の課題を克服するチャンスですね。

ところで、このところコーチングや知人からの相談ごとがいずれも、この「何を大切にするか」ということに関係しているようです。

人材派遣会社の1部門を任せられているNさん(32歳)は、今度、その部門を別会社化し、その経営を任せられることになったそうです。1年ぐらいは赤字覚悟だそうですが、ここに来て2つの悩みが出てきたそうです。

1つは自分のビジネスパートナーとの人間関係がなかなかうまくいかないこと。もう1つはいままでかなり犠牲して取り組んできたこともあり、「なにか、今の仕事に燃えてこない」そうなのです。その2つが絡み合って、「全て投げ出したくなる衝動に駆られる」こともしばしばだそうです。

いろいろ話しているうちに見えてきたことは、別会社化という大きなステップを踏むためには、恐れを越えて新たな目的に対する決意とコミットがいるということ。そして今までの犠牲感の中で埋もれつつあった、「自分が大切にしていることや自分の強みが何か」を再確認することでした。

「そういえば、このところ社内での仕事に追われ、自分の強みである人との交流など社外活動をすっかりお留守にしていたわ」ということに気づいたNさん、「新たなポジションで自分らしさを発揮していけば、ビジネスパートナーとの関係改善も出来るかも」と少し元気になったようです。

もう1人はある営業店の店長代理をしている女性のYさん(49歳)。いよいよ店長をという打診を受けたが、実は以前から同期の女性との関係の悪さで精神的に消耗している上、このまま店長になっても犠牲を続けるのは目に見えている。

「引き受けるかどうするか悩んでいるうち、今自分が本当に大切にしなければならないことをやる時では」ということに気づいた。もともと心理学を勉強し人材教育に興味があったのに、それを抑えていたYさんは、この機会に会社に自分の希望を伝えてみようと思い始めている。

問題や新たな課題に直面した時というのは、もう一度「自分が何を大切にしたいのか」を確認しながら、次のキャリア目標をしっかり立てるチャンスの時かもしれませんね。

ということで今週のエクササイズです。

●「今の仕事、職種で本当に大切にしたい、あなたの強みは何ですか」