第80回 一皮むける体験
こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「あなたの体験した出来事から気づいた人生のパターンがあったら紹介してください」でしたね。ちょっと回答しにくかったかもしれませんね。1通紹介します。
「人生にパターンといえるほど、経験も長生きもしていませんが、現在でも1番の問題になっているパターンがあります。それは(1)事柄を始める(2)面白い間は続ける(3)苦しくなったり、嫌になったりしてくる(4)逃げ出す、というパターンです」(Sさん、36歳)。
Sさんは「このパターンが学生時代のアルバイトから始まって、会社員時代、さらに現在の派遣社員時代は会社こそやめなかったものの、仕事をえり好みして“社内転職”を繰り返していたので、実質的には同じパターンが続いており、どこかでこのパターンを越えないと、今の自分を変えるのは無理かもしれません」と正直に回答してくれています。
このパターンに気づくというのはとても大切なことのように思えました。Sさんだけでなく、私の中にも、そして多くの人たちの中にあると思えたからです。いろんな事柄について、けっこう(1)から(3)まで起きますね。そして(4)のところで、逃げる替わりに諦めたり、反逆や文句を言い続けたり、多様な選択肢があるようです。
わかりやすいのは人間関係、特に恋愛ですね。好きで付き合っても、やがて(3)にくると、別の人を好きになって逃げ出したりしますね。
どうやら(1)から(3)までは、パターンというよりは仕事や人との関係においてかなりの確率で起きるステップかもしれません。問題は(4)でどういう行動をとるかにその人の人生パターンが表れると思います。ということは自分のパターンを超えれらるかどうかの鍵は(3)にどう対処するかにかかっているわけです。
人生、面白いことに(3)のときにいろんな出来事や事件、病気などが起きるものです。それらにどう取り組むかで自分の人生パターンを超えられるかどうかが決まるわけです。
ところで、今私が興味を持っている「一皮むける体験」というのが、この人生パターンを超えるということと関連しているように感じるので紹介したいと思います。
「一皮むける体験」とは一言で言えば大きくジャンプすることですね。米国CCL(創造的リーダーシップ研究所)が「優秀なリーダといわれる人は、その成長過程において、同じような『一皮向けた体験』をし、その経験からリーダーシップを身に付けているのでは」ということを明らかにしたもので、日本でも神戸大学の金井壽宏先生らが同様の調査からキャリア論として展開しています。
ではどんなときに人は「一皮むける体験」をするかというと、異動、昇進、降格、左遷、初めての管理職経験、ビジネス上の失敗、リストラなどの業務上の出来事(イベント)から学ぶことによって、まるでサナギから蝶に脱皮するように質的な成長を遂げるということです。
特にキャリアに関して言うと、そうした体験が自分の人生の節目として感じるときに気づきや学びが大きいそうです。しかも、どちらかというと、自分の希望というよりは、異動、配属、転進など難しい環境や局面に直面するケースが多く、その場合、自分が対峙することになった現実を直視し、その局面から逃げないことが、「一皮むける体験」につながるようです。
そういう局面の時、同時に自分の人生パターンも浮上しているように思えるのです。そして私自身を振り返ってみると、自分の人生パターンにはまって、「一皮むける体験」の機会を逸したことがけっこうあったな、と反省しています。人生パターンを超えるということは、「一皮むける体験」につながるチャンスなんだということを、改めて痛感しています。
ということで今週のエクササイズです。
●「あなたにとって『一皮むける体験』があったら、紹介してください」
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