第84回 人生の午後のイメージ

こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「これまでの自分を変えるチャンスを含んだ新たな始まりやチャレンジに直面していたら、ぜひ紹介してください」でしたね。

実はちょっとしたミスで前々回のエクササイズと重なってしまいました。申し訳ありません。本当は「これまで“恐れがチャンスに変わった”と感じた、どんなユニークな体験をされていますか」でした。でも私の体験を理解しながら回答してくれたみたいでホッとしています。1通紹介いたします。

「この1月末で10年間勤めた会社を辞めました。ずっとコンピューターのSEをしていました。最後の1年はとても大変で、特に最後の1ヶ月は200時間近くもの残業。若い時は楽しかった新しい技術の習得も、ある時期から追いつくのが辛いと感じるようになり、上司の理解もなかなか得られず、忙しさと睡眠不足、疲労に耐えかねて辞めた、というのが正直なところです」
(Kさん、41歳)。

「この20年、コンピューターに関わり、これから60歳までの20年間は何か違うことをしようと思っています。『で、何?』というところです。結局、今、7月までの契約でコンピューターの仕事をしていますが(ローンもあるし食べていかないといけないし、他の業種よりは収入がいいので)、まだ模索中です」。

「40歳を過ぎて、何をしていいかわからないし、会社という枠からはみ出て、呆然としている、という情けない状況です。半面、何でも出来るぞーという自分もいます」。

とても伝わってくるものがあったので、ほぼ全文紹介させていただきました。

会社を辞めた表面的な理由はどうあれ、まず「キャリア人生の前半戦、ご卒業おめでとう」と言いたいですね。さて、これからですね。今はユングの言う人生の午後、あるいはトランジション(人生の転機)、中年の危機、あるいは厄年とか・・・まあ、いろんな表現がされる時です。

もう一度、個に戻って、この人生で掛け値なしにやりたかったことを見い出すチャンスが来たといえますね。組織のレールから少しでもはみ出ている時こそ、忘れかけていた夢やミッション(使命)みたいなものを思い出すチャンスがあるものです。40代前半はちょうどいい時期なのです。

たまには一人旅もいいですね。すっかり忘れてしまっていたあなたの宝をもう一度拾い直すようなことがあるかもしれません。一度には見つからないかもしれませんが、焦らないことです。自分が何を大切に生きてきたのか、今後もそうなのかとか、自分の価値観を点検してみることもお勧めします。時には心理学や気づきのセミナーに出てみるのも自分を知る良い機会です。

もう1つ。SEの経験を大切にしてください。キャリアというか、人生には無駄なことはないからです。必ず、新しいキャリアの中にSEとしての体験が生きてくる、ということを信頼することです。そう思えるなら、過去があなたの友人になってきます。

以上は同じように40代で会社を辞めて、自分探しを再開した私が、50代に入って40代を振り返ったときに感じることです。ですから、かなり私の押し付けがあることを差し引いてください。

もう1つ付け加えるなら、私たちの世代ですら、60歳までではなく、65歳以上、人によっては70歳代も、何らかの社会的な参加や生産活動をする時代ですね。ということはKさんもあと20年ではなく、30~40年あるということです。もっとも私自身、40代にはこんな考え方もしませんでしたが。今回は何だかお説教くさいですね(笑い)。

ということで今週のエクササイズです。

●「20、30歳代の方も含めて、あなたの人生の午後(40歳代)、どんなキャリア人生をイメージしていますか?」