第85回 興味のある小さな試み

こんにちは、楳林です。ジトジトと、蒸し暑い日が続きます。梅雨ですね。先週のエクササイズは「あなたの人生の午後(40歳代)、どんなキャリア人生をイメージしていますか」でしたね。何通か紹介します。

「先ず頭に浮かぶのは、自分のピアノのレッスン室でレッスンしているところです。結婚して、子供はいなくて(?)、穏やかな感じです。本当に生徒のことを考え、こういうレッスンをやりたかったというレッスンをやっている感じです」(Mさん、36歳)。

「漠然としていますが、人に何かを教えているような気がします。サロンのようなゆったりとした部屋で、何人かがくつろいで、その中に自分がいるというような・・・。それは話し方かもしれませんし、別のことかもしれません。今、1つ1つ積み上げているものが、40代になって花開くようなイメージを持っています」(Fさん、30歳)。

MさんとFさんのイメージは、自分の好きな場所で、何かを教えているという点でとても似ていますね。それだけでなく、現在の心境にも共通点があるようです。

Mさんは最近、「自分を小さいときから可愛がってくれた祖母が亡くなり、四十九日の法要が終わったばかりで、とても寂しく、それに人間関係でのトラブルも重なって疲れが溜まっており、自分が本当にトランジション(人生の転機)の真っ只中にいる感じです。だからこそ、ここを抜け出すチャンスにしたい」そうです。

一方、Fさんは「昨日、会社で、自分に対する評価が著しく悪いことを知らされ、とてもショックと憤りを感じました。しかしよく聞いてみると、見るポイント(視点)が違っていたので、業務の比重の調整を行えば大丈夫だということがわかり、かえって自分の業務に集中できる環境を整えることが出来るようになった」そうです。

特に「仕事がやりにくい、業務が進まないと、なんとなく感じていただけに、その状況をきちんと把握することが,『自分の直感に正直になる』ことにつながることを発見しました」と書いてくれてます。とても良いプロセスです。

お二人の将来のイメージは共にかなり厳しい体験をしっかり見つめる中で浮上してきていますね。しかもすでに始めている試みを「1つ1つ積み上げていく」(Fさん)方向にあることも共通していますね。厳しい出来事に遭遇したことの本当の意味は、「人生としてのキャリア」を一歩前進させることにあるように思えます。

もう1通、印象に残った回答を紹介します。「私の母は53歳になりますが、いまだに(忙しそうにはしていますが)楽しそうに仕事に通っています。私たち子供2人が小さくて大変なときも、自宅で出来る仕事を会社から送ってもらい、ずっと続けてきました(もちろんこれからも続けるつもりのようです)」(Kさん、25歳)。

「そんな母を見て25年間育ってきた私は、『専業主婦』になっている自分が想像できません。旦那や子供が出来ても、仕事は続けたいし、続けていると思います。そのために今、ずっと続けられる仕事で、自分が楽しく出来る仕事は何か、必要なスキルは何か、いろいろ試行錯誤しています」というKさんが、1年半前から挑戦しているのが韓国語だそうです。

「将来韓国や韓国語に触れられる仕事をしたいと思いますが、まだ貿易の知識も経験もなく、悩みは尽きません」と言っていますが、私にはKさんの試行錯誤が韓国語の習得という1つの行動(アクション)を伴っている点が素晴しいと思います。Kさんの悩みはむしろとても健康的ですね。

リストラとか愛する人との死別といった大きなトランジションを契機にキャリアの方向が大きく変わることもありますが、その場合でも日々の現実の中で自分の興味や関心を少しずつでも行動に移し、試していくこと。そこから新たな出会いやキャリアの成長の機会が現れてくるように思えます。

「本当にやりたいことがわからない」という人も、立ち止まって考え込んでいるよりは、何か興味のあることを行動に移していく方が、新たな気づきや思いがけないチャンスがあるようですね。

ということで今回のエクササイズです。

●「今の仕事に直接関係のないことでも、何か興味を持って取り組みたいと 思えることは何ですか」