第9回 キャリアの根っこにあるもの
こんにちは、楳林です。先週のエクササイズは「今、あなたのご両親や兄弟姉妹に対し、あなたがしてあげたいことは何ですか?」でしたね。
先週述べたように、これをテーマにしたのは、子供時代にとって家族は世界全体であり、自分の思いや夢、あるいはキャリアの出発点などが潜んでいるように思えるからです。
さて今週は、特に心に残った2つを紹介させていただきます。
「ちょうど最近家族と距離が縮まってきたところです。子供の頃の家族は不幸せでした。ずっと父と母が別れれば良いと思っていました。でも最近、父が出した結論は母とずっと暮らしていくというものでした。父もだいぶ性格もまるくなり、努力しています。私も二人が仲良く暮らしていけるように後押しし、兄夫婦と自分と両親の4つのグループの距離が縮まる努力をする。昔うまくいかなかった家族だからこそ、よけいに気をつけて、建設的に、冷静に進めていこうと思います」(29歳、Yさん)。
「特に母親を抱き締めたいなぁ。68歳位になるのですが、いまだに夫婦喧嘩して、飲んだくれてぶつぶつ過去を振り返って泣いていることがあります。そんな時、ただ側にいてあげるだけしか出来なくて、ちょっとでも近づこうものなら、『あんたに何がわかる!』。でも、そんな母親も普段は取ってもお茶目でかわいい。中学まではカウンセラーになって、家族を何とかしたい、と思っていました」(32歳、Tさん)。
小さい男の子、の女の子の懸命に生きている姿が目に浮かんできます。家族を何とかしたいという思いが、自分の価値観や嗜好性、強み、才能として育まれ、さらに夢、ヴィジョンの原型になっているようです。
Yさんは小さい時からエンターテイメント(芝居・ダンス・映画)と科学に興味を持ち、仕事以外にボランテイアで理数科教育の活動を行い、フェスティバルの出展や講義も10年以上の趣味として続けている方です。Tさんも小さい時の思いが職業相談という仕事に繋がっているだけでなく、まちづくりのNPOに参加し、地域の人達とのワークショップを楽しんでいます。
Yさんは、小さい時の2つの興味をキャリアとして見ています。私も同感です。冷静な目とエンターテイメントとが家族という世界を支えるために必要なスキルだったのでしょう。また、Yさんは「人は生まれた瞬間から選び取ったわくわくの集合体なのかもしれない、ということを思い出した」とメールをくれました。
私自身、遅れて40代に入って自分探しの旅を始めたとき、3歳で祖父母に2年間預けられたことが自分の原体験となり、孤独感や両親への恨み、あるいは仕事に距離感のある原因になっていることに気づき愕然としました。しかし、数年癒しを続けているうちに、遠くから家族を見守っていたことが、社会や人間に対する観察力やビジョンの一体感への指向が養われたことに気が付き、今度は感謝の気持ちすら出てきました。
私は、新聞記者、エコノミスト、そして今はキャリアデザイン関係の企業研修やキャリアカウンセラー、キャリアコーチという仕事を通じ、ある意味で今も子供時代を楽しんでいます。そして、挑戦や選択のたびに成熟していくのだなと思えるようになっています。
さて、ちょうど今テレビではオランダのフェイエノールトに移籍したサッカーの小野伸二選手が「サッカーをするのは楽しいからだ」と言っていました。そう、「楽しさ」もキャリアにとっての1つの大きな鍵だと思います。
ということで次週のエクササイズです。
●「あなたが楽しい時はどんな時ですか。そしてその楽しさを職場で感じるために何をしていますか?」
![転職、派遣、アルバイトまで!求人メルマガ [en]キャリアニュース](http://columnjob.en-careernews.com/images/en_logo.gif)
